大判例

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東京地方裁判所 昭和45年(ワ)3415号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕ところで、動産とは土地およびその定著物(すなわち不動産)以外の物をいう(民法八六条)から、本件物件が土地の定著物でないとされて初めて動産であると認められることになる。そして、土地の定著物とは、土地の構成部分でないが土地に附着せしめられ、かつ社会観念上その土地に恒久的又は相当期間継続的に附着せしめられた状態において使用されることがその物の取引上の性質であると認められるものをいうと解するのが相当であるから、仮設的、臨時的に土地に附着され、容易に移転し得る仮小屋等は定著物とはいえないと考えられる。

前記認定によれば、本件物件は工事現場に工事従業員の便益のため建てられた合宿所いわゆる飯場建物というべく、その性質上予定工事終了のあかつきは解体され、右現場より撤去されることが予定されていることが推認されるから、恒久的存続を予定して建てられる通常の建物とは、この点において異なることは争えないところである。しかし、形体上、構造上は通常の建物と何ら変りなく(ただし組立、解体の容易なプレハブ住宅である)、堅牢性、耐久性もあり、人の居住に十分耐え得、現に宿舎として利用していたものであることは前記のとおりであり、その基礎が恒久的存続を予定される建物に比し簡易であることは否めないにしても、土地に相当期間継続的に附着され、使用される予定のもとに構築されたものであることは、前記認定事実より推認することができる。

以上のような諸点をあわせ考えると、本件物件は土地の定著物すなわち不動産と認めるのが相当である(なお、飯場は性質上取引の対象とはしないから、登記までもしないのが通常であるが、飯場なるが故に登記が許されないとはいえない。土地の定著物と認められる以上は登記も可能と解される。)から、右物件が動産であることを前提とする被告の抗弁は、その余の点について判断するまでもなく失当である。 (早井博昭)

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